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Vol.19
灼熱のスーダン
Khaltoum, Sudan/スーダン

写真家・竹沢うるまが切り撮る“現在の地球”
いま、世界一周の途中。

遥か彼方。ナイル川の向こうに広がる砂漠の向こうから、乾燥した熱風が吹きつける。エジプトのアスワンから出航した船は、南を目指してゆっくりと進む。明らかな定員オーバーと数えきれない貨物の数々で船の上はもう足の踏み場もない。難民船のようだと思っていたら、実際、数週間前まで、現在内戦が繰り広げられているリビアからエジプトを抜けスーダンへと避難する難民を運んでいたのだという。この乗船客の中にも何人かは混じっているかもしれない。

熱風は時間が経つにつれてますます乾き、熱くなって行く。風はスーダンからやって来る。スーダン。僕らはこの国について何を知っているだろうか。長く続いた内戦。そして広大な砂漠。知っていることはほとんどないと言っても過言ではない。僕はいまその未知なる国に向かっている。革命の嵐に荒れる激動の中東を駆け抜け、息つく暇もなく次は何の情報もない灼熱の国だ。何がそこに待ち受けているのか。船は期待と不安と共に24時間でスーダンのワディ・ハルファに到着した。

スーダンの人々は優しく、旅人に対して寛容である。旅の間、何度も食事を振る舞ってもらった。

この国に滞在した一週間。それは驚きと感動の連続であった。人懐っこい心優しい人々。目が合えば笑顔で挨拶。街中を歩いていればみなから話しかけられ、チャイを振る舞われ、食事をごちそうしてくれる。郊外に出れば何処までも広がる砂漠を隊列を組んだラクダが歩き、東アフリカ地方特有の大きな角を持った牛を連れた民がオアシスで休憩している。何をこれまでしていたんだろうかという思いが胸に広がる。こんなに素晴らしい国があって、美しい風景が広がっていたというのに、僕はその時、いったい何処で何をしていたんだろうか。

スーダンを旅している間、水がなく風呂もろくに入れず、夜は寝苦しくてほとんど眠れない。あまりにも熱い日々に食事は喉を通らず、毎日少量の果物を体内に流し込むだけで精一杯である。南部分離独立を控え、警戒体勢にある国内は検問の連続で旅には制限がある。しかしそれを差し引いても、スーダンの旅は僕に強烈なインパクトを与えてくれた。

この先、アフリカ大陸の最深部へと向かう。そこに僕は何を見るのだろうか。まだ見ぬ世界を求めて、僕はさらに南へと向かった。

写真家・竹沢うるまは今現在、陸路での世界一周の空の下にいる。2010年3月に東京を出発し、アメリカからスタート。中米、南米、アフリカ、ヨーロッパ、中近東、アジアを巡り、日本へと帰る旅。帰国は2011年、場合によると2012年になるという。
目的は“現在の地球の姿”を、その若く瑞々しい感性で写真で記録すること。この連載は、地球のどこかを旅するうるまから届く、生の写真とエッセイをお届けするものだ。 さらに、うるまが本当のゴールとするものは、30年後に再び同じルートで世界を撮影して巡り、写真を比べること。そして、ひとりの人間の半生の間に、地球はどこに向かったのかを映し出すこと。

「私たち人間は、この地球という星のことを、一体どれだけ自分の言葉で語れるでしょうか。“ボクらが生まれた星”はいったい今どんな姿なのか、ひとりでも多くの人に伝えたいと思います」――竹沢うるま

 

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竹沢 うるま
1977 年生まれ。写真家。「うるま」とは沖縄の方言でサンゴに囲まれた島の意。出版社のスタッフフォトグラファーを経て、2004 年独立、URUMA Photo Officeを設立し活動開始。雑誌、広告の分野で活躍し、海外取材は通算100回を超す。世界中の自然を主なフィールドにする自然写真家。現在、世界一周の旅を敢行しながら作品を寄稿中。立ち寄った国はすでに10カ国を超えた。
公式サイト www.uruma-photo.com

著作物
写真集「URUMA –okinawa graphic booklet-」(マリン企画)、「Tio's Island ~南の島のティオの世界~」(小学館から2010年7月20日に発売)。その他ポストカード、カレンダー等。
個展暦
2005年「TWILIGHT ISLAND」(DIGZ原宿)、2007年「Rainbow's End」(Palau Pacific Resort)、2007年「URUMA -日本の異次元空間を旅する-」(丸善・丸の内本店)、2008年「Tahiti ~タンガロアが創った島々~」(PENTAX FORUM)、「Tio's Island」(大手町カフェ) 、2009年「Tio's Island ~南の島のティオの世界~」(KONICA MINOLTA PLAZA)

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いま、世界一周の途中。

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