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Vol.15
パタゴニアの風
Patagonia, Argentina / パタゴニア・アルゼンチン

写真家・竹沢うるまが切り撮る“現在の地球”
いま、世界一周の途中。

アルゼンチン南部のパタゴニア地方を南へ南へと向かった。パタゴニアの景色は広大だ。茶褐色の大地が地平線の彼方まで何処までも続く。バスの窓から眺めていると、時折、小型のほ乳動物がその大地を駆け巡るのが眼に入るが、その存在はこの大地の中では無にも等しいような小さな存在に思える。目線を上げると、大地というよりかはこの星全体を覆っていると感じさせられるような大きな空。青い空に無数の雲が浮かび、足早に流れている。風だ。大地と空の隙間を、パタゴニアの風が縦横無尽に駆け抜けているのだ。

パタゴニアを訪れた人の多くが、その風について語る。冷たく、力強い風。雲を呼び、雨を生み、虹を誕生させ、そして青空を創造するパタゴニアの風。荒涼としたパタゴニアにおいて、唯一風だけが生きて生命力に溢れ、躍動しているような気がする。風が見える。風を感じる。パタゴニアは風の大地だ。その風に向かって南下を続け、マゼラン海峡を渡り、そして辿り着いた南米最南端にして、世界最南端に位置する街ウシュアイア。ビーグル水道に面した街は一年中南極からの冷たい風が吹き抜ける。この時、夏なのにも関わらず、吹雪だった。しかし不思議とその冷たさの奥に、ほのかな温もりを感じることができる。この感覚は一体なんなんだろう。

風の中で思った。氷の大陸、南極がすぐそこにある。風は南極からここまで旅してやってきているんだ。パタゴニアで感じ続けた、生きて躍動する風。その風が生まれる場所に行ってみよう。この冷たさの中にある温もりの源を探しに行ってみよう。

僕は南極へ向かう船に乗り込んだ。

 

 

写真家・竹沢うるまは今現在、陸路での世界一周の空の下にいる。2010年3月に東京を出発し、アメリカからスタート。中米、南米、アフリカ、ヨーロッパ、中近東、アジアを巡り、日本へと帰る旅。帰国は2011年、場合によると2012年になるという。
目的は“現在の地球の姿”を、その若く瑞々しい感性で写真で記録すること。この連載は、地球のどこかを旅するうるまから届く、生の写真とエッセイをお届けするものだ。 さらに、うるまが本当のゴールとするものは、30年後に再び同じルートで世界を撮影して巡り、写真を比べること。そして、ひとりの人間の半生の間に、地球はどこに向かったのかを映し出すこと。

「私たち人間は、この地球という星のことを、一体どれだけ自分の言葉で語れるでしょうか。“ボクらが生まれた星”はいったい今どんな姿なのか、ひとりでも多くの人に伝えたいと思います」――竹沢うるま

 

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竹沢 うるま
1977 年生まれ。写真家。「うるま」とは沖縄の方言でサンゴに囲まれた島の意。出版社のスタッフフォトグラファーを経て、2004 年独立、URUMA Photo Officeを設立し活動開始。雑誌、広告の分野で活躍し、海外取材は通算100回を超す。世界中の自然を主なフィールドにする自然写真家。現在、世界一周の旅を敢行しながら作品を寄稿中。立ち寄った国はすでに10カ国を超えた。
公式サイト www.uruma-photo.com

著作物
写真集「URUMA –okinawa graphic booklet-」(マリン企画)、「Tio's Island ~南の島のティオの世界~」(小学館から2010年7月20日に発売)。その他ポストカード、カレンダー等。
個展暦
2005年「TWILIGHT ISLAND」(DIGZ原宿)、2007年「Rainbow's End」(Palau Pacific Resort)、2007年「URUMA -日本の異次元空間を旅する-」(丸善・丸の内本店)、2008年「Tahiti ~タンガロアが創った島々~」(PENTAX FORUM)、「Tio's Island」(大手町カフェ) 、2009年「Tio's Island ~南の島のティオの世界~」(KONICA MINOLTA PLAZA)

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