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29年前のジェット機で達成!
航空機による世界一周飛行最速記録

スティーヴ・フォセット(1944-2007)というアメリカ人冒険家の名前をご存知かと思います。1944年、テネシー州に生まれ、MBAを取得後、実業家になりましたが、後に単独無休の世界旅行への挑戦をスタート。気球による世界旅行(世界最速、最長距離)の記録を50歳で達成したのを皮切りに、その後も船舶や航空機による単独無休の世界旅行で、数々の世界記録をたてました。彼が亡くなったときには、交流のあったリチャード・ブランソン氏が「史上もっとも果敢で、決意に満ちた冒険家だった」と追悼の意を表明したほど。まさにフォセット氏は伝説の冒険家のひとりとして語られる人物です。

機長のリカルド・モルタラ氏は、プライベード・ジェット機の会社社長。「人生に目標は必要だ。そしてそのゴールは高いほどいい」と語る。
出発前の記者会見では、チーム全員が記録達成への決意を述べた。左から、パイロットのフラヴィアン・グデルゾ、リカルド・モルタラ、モルタラ氏の長男ガブリエル・モルタラ、ミッションプランナーのトム・ゾルマン。

そのフォセット氏が保持していた記録のひとつが破られたというニュースが、突如飛び込んできたのは2010年3月19日のこと。栄誉ある記録を手にしたのは、62歳のスイス人、リカルド・モルタラ氏を機長とするチーム。航空機による世界一周飛行で、フォセット氏が持つ67時間1分を10時間近く上回り、57時間54分という記録を打ち立てたのです。

3月19日午前6時12分、彼らはジュネーブ空港から東回りでの世界一周に出発しました。コントロール・ポイントと呼ばれる10の着陸地点を経由しながら(地上に着陸している間も時間はカウントされる。地上での給油はOK)、再びジュネーブ空港を目指します。しかし、アブ・ダビ、コロンボ(スリランカ)、マカオ、大阪、ペトロパブロフスク(ロシア)、アンカレッジ、ラスベガス、モントリオール……と、コントロール・ポイントを順調に経過していたものの、アイスランドのケプラヴィークを目指している最中にトラブルが発生! なんと176年ぶりという火山噴火のために、アイスランドのすべての飛行場が閉鎖され、カナダへ戻ることを余儀なくされたのです。ここで4時間という時間をロスしてしまったため、記録達成への緊張感が高まったとことは想像に難くはありません。急遽カナダのグースベイ空港で燃料を補給し、予定の航路に戻ったあとは、モロッコのカサブランカを通り、3月21日16時6分にジュネーブに帰還しました。飛行距離は3万6770kmで、平均時速は647km。

使用した飛行機は、機長のモルタラ氏が所有している「セイバーライナー65」で、製造年は1981年。世界で初めて運航されたビジネスジェット機のひとつです。ちなみに、フォセット氏が記録を打ち立てたときに乗っていた飛行機「グローバルフライヤー」は、前述のブランソン氏が経営するヴァージン・アトランティック航空がスポンサーとなり、挑戦のために造られた機種でした。今回の記録は、29年前に製造された飛行機によって達成されたという点でも、画期的なことといえるかもしれません。

「58時間もの時間、故障もせずに飛び続けられる航空機はそう多くない」と、記録達成後に「セイバーライナー65」への感謝を述べたモルタラ氏。機体は、もともとプライベートジェットとして使用されており、今後は“通常業務”に戻る予定だとか。とはいえ、モルタラ氏と同様、記録挑戦を引退するのは、まだまだ先のことかもしれません。

世界記録達成に使用された、7人乗りの中型ジェット機「セイバーライナー」。1958年、ノースアメリカン社が開発し、世界初のビジネスジェット機として登場した。モルタラ氏は1997年から所有しており、「お互いの強い信頼関係があれば、記録は達成できる」と信じていたという。
コントロール・ポイントでの滞在時間は40分~1時間! この間に給油、税関審査なども行うため、休息の時間はわずかしかない。

Data

リカルド・モンタナ世界記録 公式ホームページ
http://www.360worldrecord.com/

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