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英国の誇りが、地球を救う!?
蒸気自動車愛好家たちの「最速」に賭ける夢

「蒸気自動車が通ります! みなさん、危険ですから道を開けてください!」

1865年、英国で「赤旗法」という法律が公布されたのをご存知でしょうか? これは当時、英国で普及していた蒸気で走る乗り合いバスを規制する法律。赤 旗を持った先導員が蒸気自動車の前を歩き、歩行者などに注意喚起するもので、自動車の高い移動力を強制的に制御したのです。これを仕掛けたのは、蒸気自動 車に客を奪われていた馬車組合。蒸気自動車の騒音や公害をアピールして、その実用を廃止させるのが目的でした。これを機に、英国内では蒸気自動車が一気に 衰退。蒸気自動車産業は、アメリカなどに引き継がれることになるのです。

The British Steam Car Challengeのメンバーたちと蒸気自動車『Inspiration』。車の全長は7.6mあります。

その後アメリカの地で、かの有名蒸気自動車メーカー「スタンレー自動車会社」が誕生します。1906年には、蒸気自動車で最高時速約203kmという記録を打ち出し、蒸気自動車ではいまだにその記録は破られていません。

しかし、蒸気が廃れガソリン車が主流になった現代でも、やはり「蒸気自動車を最初に実用化させたのは我々だ!」と主張する英国人は健在。英国には現在数多 くの蒸気自動車マニアや団体が存在し、なかでも注目株チームが「The British Steam Car Challenge(ザ・ブリティッシュ・スチームカー・チャレンジ)」。スタンレー社の記録を破り、英国の誇りを取り戻すという目標のために日々熱心に 研究を続けているのです。

そんな彼らが、ついに100年来の念願を叶える日が目前に迫っているとの情報をキャッチ。昨年12月、彼らの開発した蒸気自動車 『Inspiration(インスピレーション)』はテスト走行を行い、「砂漠を時速270kmで走行可能な状態だ」と結果発表。今年にも、公式最速記録 の樹立に向けてチャレンジするとのこと。
この『Inspiration』の仕組みは、液化石油ガスと12基の小型シリンダーが生み出す3メガワットの熱で、1分間に約39.7Lの水を約399℃ という高温の蒸気に変換。その蒸気が、長い管と巨大バルブを通り抜けて、2段階式タービンを毎分1万3000回転させ、後輪を動かすというもの。

環境問題に敏感なご時勢。彼らのチャレンジは、今や英国の誇りを取り戻すばかりか、地球を救うことになる可能性も?? ガソリン車に代わるエコカーとして、蒸気自動車が復活する日が来たとしたら、こんな声が聞こえてくることでしょう。

「蒸気自動車が通ります! みなさん、環境にも優しいですからぜひご購入を!」

左:蒸気を勢いよく吹かせながら疾走。世界最速の蒸気自動車へ向けてテストが繰り返されています。

右:重さは3t。フロント部分の素材はカーボン、蒸気システムのある後部はアルミ製です。

Data

The British Steam Car Challenge

http://www.steamcar.co.uk

Back Number

CHALLENGE

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