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手漕ぎボートで太平洋横断!
1万8000㎞のゴール目前に何が!?

出発する直前までボートの点検に余念のないベリーニ氏。

トム・ソーヤーの真似をして“冒険”三昧の少年時代を過ごしたFaust.メンバーも多いのではないでしょうか。
アレックス・ベリーニ氏は、トムがそのまま大人になったようなイタリア人冒険家です。幼少の頃から「人類未踏の冒険をいつか何か成し遂げたい」と、スイム やランをはじめ様々なスポーツをこなし、1999年には、トンガで開催された世界の秘境をあるゆる手段を駆使し攻略していく地球上で最もハードなアドベン チャーレースのひとつ「キャメル・トロフィー」の1999年イタリア代表に選出。以来、国を代表する冒険家として快進撃が始まります。地中海と大西洋は手 漕ぎ(!)ボートで横断、モロッコでは砂漠250㎞を走破、アラスカでは1400㎞のソリ引きなど、数々の記録を打ち立ててきたのです。
そして今回、彼が敢行したのは、ペルーのリマからオーストラリアのシドニーまでの約1万8000㎞を、こともあろうに手漕ぎのボートで横断するという過酷極まりない挑戦! 地球一周が約4万㎞ですから、地球半周弱の距離を、手で漕いで渡ることになります。

ボート漕ぎの筋肉痛より辛い
最大の試練とは

2008年2月21日、大勢の人々に見送られてリマの港を出発。伴走船もなし、命綱はGPSや衛星電話などの通信設備だけという孤高の航海のスタートです。

全長約7.5m、グラスファイバー製の軽量ボートは、ベリーニ氏率いる冒険チームが今回のために考案。大海原での長期に渡る航海でも、少しでも快適に過ごせるように直射日光や風を避けた外装に、ソーラーパネルによる蓄発電機、オールを漕ぐ動きあわせて前後する椅子の動力を活用して、雨水と海水を飲料水に変える画期的な浄水装置など、様々な工夫が凝らされたスペシャルボートは、まるで現代版ノアの箱舟のようです。食糧は、通常の2倍近い1日4000Kcal 摂取で計算し、航海予定の10ヵ月間の2倍超、21か月分を積み万全の体勢で臨みました。

サンセットは1日の最大のご褒美。美しい夕日に出会うと撮影して妻や友人へメールしていたそう。

航海は予想通り過酷を極めます。
スタートしてすぐに強風にみまわれ、大波との格闘すること1か月間。その間に海が穏やかで休息できたのは、わずか1日! そんな大自然の洗礼を受けながらも、1日平均50~60㎞の目標で進み、当初の予定を上回る速さで航路をクリアしていきます。
「ひどい筋肉痛や物理的な苦労は想定内でしたが、いちばんの試練は“孤独”との戦いだった」とベリーニ氏は後に語ります。
そんな彼の精神を支えたのは、パソコンで愛妻や友人とやりとりするメールとiPodで聴く音楽だったとか。また、ゴールまで陸を見ることはないと思ってい た彼は、出発から61日目にポリネシア諸島の島影を発見。歓喜する彼は妻や友人たちへ伝えて喜びを分かち合ったと言います。マルケサス諸島を通過する頃 は、天候も穏やかで、昼は魚釣りを、夜は満天の星空を楽しむ余裕も出て、9月の誕生日はトンガの海域で迎えました。

大勢の人々に見送られてペルーのリマを出港。

イルカ数頭がしばしボートに伴走(伴泳?)。

食事はいつもこのような姿で。食糧はフリーズドライフード、エナジーバー、ドライフルーツ、クッキーなど約250kgを積み込みましたが、オーストラリアに上陸時には15kgも減。

無念の結末と
サクランボケーキ

ニュージーランドの船にえい航されてニューカッスル港へ入るベリーニ氏のボート

しかし、ゴール直前に悪天候が襲いかかりました。
目的地のオーストラリア大陸までわずか120㎞に控えた12月12日のこと、あまりの暴風雨に生命の危険を感じたベリーニ氏は、遂に無念の救助要請を出すに至ってしまいます。近くにいた船が彼のボートをえい航し、翌13日早朝、オーストラリアのニューカッスルへ入港。
残念ながら、あと一歩のところで目標を達成することはできませんでした。
しかし彼は、単独の手漕ぎボートでは最長となる295日の冒険を達成。直後のインタビューで「がっかりなんて全然していませんよ。自力で陸に到達すること こそできませんでしたが、太平洋を渡ることはできたのですから」と満足げに語っていました。こんな無念の挫折にもくじけず、喜びを見いだせるベリーニ氏 に、われわれFaust A.Gは、最大限の賛辞を贈りたいと思います!

そして彼はこの結末をこうも例えています。
「ケーキの上にサクランボを乗せることはできなかったけれども、ケーキ自体はとても大きくて美味しかった。決して忘れることはありません」と。
太平洋の手漕ぎ横断を、サクランボケーキに例えるとは!! まさに子どもの心を忘れない大人とは、彼のことを指すのでしょう。

左写真:無事の再会を喜ぶ夫妻。10ヶ月間、大海原をたった一人で過ごしたベリーニ氏は、妻フランチェスカとの再会に「人生最高の瞬間のひとつ、結婚式の日のよう」と語りました。

Data

アレックス・ベリーニ

http://www.alexbellini.it/

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