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Dubai Travel #1
砂漠が求めるのはビッグ・ハート!
肌と心を焦がすデザート・サファリ

「世界最高」のものを作れば、人・モノ・金が集まることを知っているドバイ。160階建てのビル「ブルジュ・ハリファ」(高さ828m)や、東京タワーよりも高く噴き上げる噴水「ドバイ・ファウンテン」(最高到達点275m)など、街にはギネス記録の建造物がさまざまに並ぶ。今回は、ドバイ・トラベルの魅力を3回シリーズでお届けする初回。ファウスト諸氏をもっとも虜にするものは郊外にあった。そう、砂漠だ。それは、アラブの男たちを童心に帰らせる「巨大な砂場」だった。

取材協力:ドバイ政府観光・商務局

砂漠の夕陽を目指して
ビルの摩天楼を脱出

午後4時。カラフルに塗られたトヨタのランドクルーザーがホテルにやって来た。これから「デザート・サファリ」と呼ばれる砂漠ツアーに出かけるのだ。サファリはスワヒリ語で「旅」の意味があり、ここでの砂漠の旅は世界中の観光客を魅了している。「さあ、行きましょう」。ガイドのムハンマドがエンジンをかけると車は南に向かって走り出した。
EAU(アラブ首長国連邦)のひとつであるドバイはペルシャ湾に面した貿易国で、海沿いに超高層ビルが乱立するが国土のほとんどは平らな砂漠。片側6車線に広がる道路を15分も走れば、荒涼とした赤茶色の世界が広がる。そして、そんな中にもときどき建設中のビルの鉄骨がポツンと現れる。中東・アジア・アフリカ・ロシアのハブとして、世界中のビジネスを誘致するドバイ。その成長は、まだまだ止まらないようである。
気付くと周りは同じ色のランドクルーザーが何台も走っていた。「今日は、わが社は12台だ」とムハンマド。デザート・サファリを開催するツアー会社は複数あり、それぞれが一同に集まって砂漠を横断するのだという。「砂漠では車のルートが決められている。無視して好き勝手に走ることは許されない」。風が吹けば表情の変わる砂の世界で、どうやって道を判断するのか。「幼いときから砂漠に出ていればわかるさ」。ムハンマドはいった。

日本からドバイまでは直行便で10~11時間。時差は-5時間。国民一人あたりのGDPは日本よりも高く、治安は非常に良い。人々も親切なので安心して街を歩ける。
整備された道路網は、ドバイを東西のハブとして機能させるインフラのひとつ。飛行機で8時間以内の距離に約40億人が住み、ほとんどが中国・インドなどの成長国だ。
デザート・サファリの会社は幾つかある。外国人労働者をドライバーに雇うところが多いが、利用したKnight Toursはエミラーティ(UAE国民)がメインだった。

まるでスノボかサーフィン?!
アップダウンのスリルに酔いしれる

街を出て1時間ほど。車は路肩を横切って砂の中に入っていった。「おっ。いよいよ砂漠か」と思った瞬間、ムハンマドは床までアクセルを踏み、目の前の大きな砂丘を勢い良く登りはじめた。勾配は急で、あっという間に目の前には空が広がる。そして次は地面に向かって急降下。砂は窓の高さまで舞い上がり、何が何だかよく分からないうちに車は止まった。
降りると、周りには同じランドクルーザーが並び、人々が外に出ていた。どの車もタイヤの空気を抜いている。そうか。砂漠では空気圧を低くしなければスタックしてしまうのか。となると今の砂丘越えは、「パンパンのタイヤでも俺はやれるぜ」という腕の見せ所だったわけだ。来た方向に目を向けると、みんな勢い良く突っ込んでくる。なるほど。過激なオープニングに、今更ながらに心臓が高鳴ったのだった。
「しっかりベルトを締めてくれ」。再び乗り込むとムハンマドはそういい渡し、砂漠を走り始めた。車は一列に連なり、その光景は旅する遊牧民を連想させたが、ラクダの代わりに4WDを駆る現代の遊牧民たちはとても荒々しかった。車内に大音量のアラビアンミュージックを響かせながら、砂の壁を登り、頂上を飛び跳ね、そして一気にダイブする。その連続である。体感はスノーボードやサーフィンだが、いかんせんこれは車だ。舌を噛みそうになりながら「転がることはないのか?!」と叫ぶと、「たまには!」と言われてしまった。「補強してあるから大丈夫!」。見ると天井には太いパイプが通され、ボディを支えていた。横転してもおそらく車体は潰れないのだろう。前を行く車もみんな飛び跳ねている。こうなったらドライバーの腕を信じよう。そう思ってムハンマドを見ると、その顔は砂場でラジコンカーを走らせて喜ぶ少年のようだった。

左:タイヤの空気圧を抜く。「気象条件にもよるが25%ぐらいは減らす」とムハンマド。この後、この状態のまま舗装された道路も数分間走った。しかも時速100kmの高速で。 中:途中で休憩したときは、参加者の多くがドライバーたちと写真を撮りたがっていた。砂漠を運転できる彼らの勇気と技術に、誰もが惚れてしまうのかもしれない。 右:ツアーによってはサンドバギーやサンドスキー、熱気球などのアクティビティを用意。ツアー会社ごとに砂漠で小隊を作る光景は、昔ならばラクダのキャラバン(商隊)か。

ビッグ・ハートがあれば
砂漠はいつも迎えてくれる

その後、砂漠の中に作られた囲い地(キャンプ)に到着し、ラクダに乗ったり、BBQディナーを食べたり、ベリーダンスを楽しむなどした。シーシャ(水パイプ)やヘナ・ペインティング(肌に模様を描く女性のおしゃれ)など、アラビアンカルチャーにも触れ、充実の時間が過ぎていった。昼間は45℃もあったが、とっぷりと日が沈んだ今は心地よい風が吹いている。肌も心も焦がした、充実の半日であった。
深夜近く、街に戻る道すがらムハンマドに尋ねた。「砂漠を運転する秘訣は?」。答えは一言「ビッグ・ハート!」だった。「エミラーティ(UAE国民)の男たちは、幼いときから砂漠に出るんだ。私は中学生のときに初めて砂漠で運転したが、毎週楽しみでクワクしたもんだよ。大切なのは恐れない心、ビッグ・ハートさ」。
わずか40年で奇跡的ともいえる発展を遂げたドバイ。1960年代には真珠や魚を採って暮らしていた彼らが、天にも届きそうなビルの中で世界とビジネスをする今、イタリアのスポーツカーで街を走るよりも、砂漠で4WDを駆るときに、アラビア人としてのDNAを感じるのかもしれない。やがて車窓はきらびやかな摩天楼でいっぱいになった。地平線まで砂に覆われた砂漠での半日が、すでに昔に感じられていた。

デザート・サファリでは、砂漠に沈む夕陽の中で、ラクダの背にゆられる体験も待っている。好奇心が旺盛なのか、カメラを向けると顔を寄せてくる。
ヘナという植物の葉から作られた染料で肌に模様を描くヘナ・ペインティングは、古くから存在する女性のファッション。1週間ほどで消えるので観光客にも人気。
キャンプでは、ベリーダンスやアラビックダンスなども披露。半日ツアーの場合、22時ごろ街に向けて戻る。ここで星空を見ながら眠る1泊のツアーもある。

Data

ドバイでのデザートサファリ(Desert Safari):60USドル(半日)
催行者:Knight Tours
Tel. +971 4 2686 555 Fax. +971 4 2684 468 Mobile +971 50 7855 884
E-mail: tours@emirates.net.ae
公式サイト
www.knighttours.co.ae
www.knighttourism.com

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