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至福の静寂に包まれて過ごす
森林セラピーの新拠点

野尻湖ホテル エルボスコ

長野県信濃町野尻湖畔。大正時代から、軽井沢、松島に次ぐ避暑地として多くの在住外国人が別荘を構えた歴史ある土地である。考古学に興味があれば、氷河時代の化石が眠るロマンあふれる湖と記憶している方もいるかもしれない。さらにここ数年、周囲の森は予防医療として期待される森林セラピーの基地に認定され、注目を集めている。
黒姫山、妙高山、斑尾山に囲まれた自然豊かな上信越高原国立公園の中、緑豊かな半島に「野尻湖ホテル エルボスコ」は佇む。

町の自然、人、文化を体感できるホテルづくり



(株)アゴーラ・ホスピタリティーズの代表取締役社長、浅生亜也さん。展開したい企画はあふれるほどあり、今後ますます広がりそうである 。
森に溶け込むようなデザインは清家清氏のこだわりのひとつ。

訪れたゲストを最初に迎えてくれるのは、天井までとられた一面のガラスの向こうに広がる何千種類もの緑のグラデーション。そのまま森へ吸い込まれそうなほど自然を近くに感じる。
「ホテルを通して地元の風土、人、食などを知ってもらいたいのです。最終的には日本ならではの美しい風景を集めたホテルネットワークをつくっていきたいと思います」と語るのは、エルボスコを運営する(株)アゴーラ・ホスピタリティーズの代表取締役社長、浅生亜也さん。26年経つ館にメンテナンスを施し、2008年に野尻湖ホテル エルボスコとしてオープン。浅生さんはオープン前から自治体や企業、農家、隣近所と積極的に接し、地元の資源を活性化するための受け皿となるべくホテルを作り上げてきた。
「この町は、森の力を予防医療として先駆けて取り入れてきたドイツをモデルとして、自治体が主体となって森林セラピーに力をいれています。町の人々の暮らしは実にゆったりとしています。森での時間はゆっくりと流れており、“気を集中させる”ことで自身の内面に新しい発見ができるのです。そういったことを観光産業だけではなく、別の視点で伝えていくことを考えました」
そうした考えはこれまでにも、アーティストに無償で創作の場を提供する「ホテル・ソリチュード」や、子育ての時間が持てない父親と子どもをつなぐ「チャイルドセンシス」といった活動として、建築家の永山祐子さんと現代アート作家の名和晃平氏とともに立ち上げてきたという。
「ホテルだけでなく町全体をデスティネーションとして捉えると、この町が私たちに与えてくれるものはたくさんある。ホテルはそれを発信する“機能”でなければならないと考えます」

男が日常からの
逃避行に耽る時間と空間

野尻湖ホテル エルボスコは、都心から車で約3時間という週末にふらりと出かけられるその立地から、ひとりで訪れる男性も多いという。昨今、女性に焦点を合わせたホテルが増える中で、男性に人気がある理由は「静寂」だろう。
半島の斜面に建てられたホテルのまわりは森。その先には野尻湖が広がり、時おり遠くに聞こえるのは水上スキーの水を切る音、または鳥たちのさえずり、風で葉が擦れる音…。ロビーの大きなピクチャーウインドから望めるのは、森の斜面を通り過ぎるリスや兎などの野生動物だけ。あたかもプライベートアイランドにいるような錯覚を抱くほどだ。
そして、どっしりと腰を落ち着ける―そんな気分にさせる演出がそこかしこにが用意されている。館内で目を引くのは、ロビーの中心にそびえる大きな柱。それをぐるりと囲むようにソファが配され、一角には長年使われている暖炉が。奥へ目を向けると、レンガの壁伝いに配された棚に地元にゆかりのあるミヒャエル・エンデやいわさきちひろの著書、写真集や建築雑誌などが置かれたライブラリーも。所蔵数は250冊以上という。
わずらわしい日常やせわしない都会生活からの解放感が癒しを求める男性の心を捉えているのだろう。
設計を手がけたのは、日本を代表する現代建築科・清家清氏。清家氏はホテルのコンセプトである“朝、目覚めると森の中”を実現するため、地形や森の木々の高さ、太陽の動き、まわりの自然をすべて計算に入れ、ゲストが一日中森を感じられるように設計したという。

レストランフロアにあるラウンジ。ティータイムには美しいデザートも。チェックインしたらまずここでのんびりと過ごすのもいい。
ロビーフロア奥にあるライブラリー。ブランケットまで用意されたソファに腰掛けてれば、ついつい読み耽ってしまう。
メゾネットスタイルのボスコスイート。

信州の懐の深さを五感で堪能

「SOBA BAR」は予約制。ディナー前に予約をしておきたい。

さて、滞在の楽しみのひとつはもちろん食だ。ディナーではまず、毎日地元の農家が直接届けに来る野菜がアミューズとしてサーブ。その彩り鮮やかでみずみずしい野菜を特製ソースでいただいた後は、直江津のとれたての海の幸や信州のキノコなど、四季折々の地元の食材を駆使した料理が続く。食後は「SOBA BAR」で信州ならではの蕎麦焼酎に酔いしれたい。

静寂に包まれ、至福の眠りに就いた翌朝は、窓から差し込む木漏れ日が目覚めのサインとなるだろう。湖畔まで森を歩きながら大きく深呼吸をし、夜行性動物たちの跡を探し、しばし童心に返ってみるのも悪くない。ここには人を癒し、復活させる力を持つ森が広がっている。

ダイニングでのディナーメニュー。
朝食はブッフェスタイル。信州のとれたて野菜が豊富。洋食はもちろん、信州の郷土料理など、和食も充実している。

 

Data

野尻湖ホテル エルボスコ
長野県上水内郡信濃町大字古町4847
TEL:026-258-2111

客室数:50室
スタンダードルーム2名1室利用時1名18,900円~(朝・夕食付、税サ込)
http://www.nojirikohotel-elbosco.com

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