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正確に時を刻む”極限に迫る技術力
人間の情熱の歴史を腕に

ベルリンの壁が崩壊した翌年、東西ドイツが統合された1990年のこと。一人の男が大きな夢を抱き、生まれ故郷のドイツ・ザクセン州ドレスデン郊外の町に戻って来ました。その男の名はウォルター・ランゲ。彼の夢とは曾祖父アドルフ・ランゲが設立した、A.ランゲ&ゾーネを再興することでした。
A.ランゲ&ゾーネは1845年の創業以来、高い芸術性と技術力を尊ぶ宮廷文化を背景に、ドイツ皇帝がスルタンへの贈り物とするなど、高品質な時計を次々に送り出し大成功を収めていましたが、第二次大戦後、一時休眠状態となってしまいました。
それから約半世紀の後、彼が故郷に戻ってくるというニュースは町中に広がり、募集もしていないうちから多くの若者からの応募が殺到。なんとその多くは、かつてA.ランゲ&ゾーネで働き、ウォルター・ランゲとともに時計作りに取り組んだ、往年の職人たちの子どもだったのです。

そして1994年に新生A.ランゲ&ゾーネの時計が発表され、以降、最高級の精度を誇る時計を毎年発表していることはご承知のとおり。

このほど発表されたA.ランゲ&ゾーネの「リヒャルト・ランゲ “プール・ル・メリット”(トップ写真)」は、かつて科学観測用の懐中時計に搭載されていた“チェーンフュジー(鎖引き)”という機構を腕時計に搭載した画期的な時計。機械式時計は巻き上げたゼンマイが戻る力を均等に伝達することによって時を刻んでいくのですが、当然ながら、巻き上がった時と、緩んできた時では力が変わります。これを常に一定に伝達するための機構が“チェーンフュジー” なのです。

左写真:美しく仕上げられたシースルーバック。右写真:上がゼンマイの入っている香箱、下のチェーンが巻き付いているのがフュジー。ゼンマイ巻き上げ直後とパワーリザーブが終わりに近づいた時点での異なる力の差を補正するために、巻き上げたゼンマイのエネルギーを直接ではなく、636個の部品によって構成される細いチェーンを通じて伝達するチェーンフュジー機構。

モデル名に冠する「リヒャルト・ランゲ」とは、数多くの特許を取得したことでも知られる創業者アドルフ・ランゲの長男。当時、彼が開発した“大型高性能科学観測用デッキウォッチ”は、1930年にツェッペリン飛行船工場にも納品されました。数々の発明によって時間計測の精度を大きく向上させた、リヒャルト・ランゲの功績に敬意を表し、この画期的なモデルにその名を冠したのです。“プール・ル・メリット”とは探検家フンボルトの提案で1842年に制定された、自然科学や芸術に功績のあった者に与えられるドイツ最高の勲章。A.ランゲ&ゾーネでは特に複雑な機構を搭載されたモデルにつけられています。

エナメル文字盤にブルースチールの針が美しいシンプルな3針。ケース径40.5ミリ、パワーリザーブ36時間、手巻き、プラチナケース(左)は1365万円で50本限定。ピンクゴールドケース(右)は200本限定で1142万円。夏以降発売予定。

「リヒャルト・ランゲ “プール・ル・メリット”」は、時計本来の目的である正確に時間を計測することのみを追求し、他の一切の複雑機構を省いた、いわば “腕に纏う高精度時間計測器”。シンプルな顔立ちに秘めた最高の技術、まさに“能ある鷹は爪を隠す”、A.ランゲ&ゾーネの真骨頂ともいうべき逸品です。
戦争や国家の分裂という幾多の苦難を乗り越え、先祖からの時計作りを再興するという夢を持ち続けた四代目のウォルター・ランゲと、そこにわが息子たちを働かせたいと願うかつての従業員たちの精神が一致して、毎年、最高品質の時計を生みだしているA.ランゲ&ゾーネ。
グローバルスタンダードが叫ばれ殺伐とした人間関係になってきた企業が再考を余儀なくされている今、A.ランゲ&ゾーネはひときわ輝く存在であるといっていいでしょう。
「リヒャルト・ランゲ “プール・ル・メリット”」には腕に纏うに余りある、歴史や物語がいっぱいに詰まってるのです。

Data

A.ランゲ&ゾーネ

TEL.03-3288-6639
http://www.lange-soehne.com

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